インターネットで検索しました。ハピネスさんのある東京から遠い距離にあったのですが、お話をお聞きして即お願いすることにしました。
それ以前に、地域(秦野市)の行政書士さんに相談したら、社会福祉法人についてはまったくご存じなかったんです。
過去に秦野市で「社会福祉法人×認可保育園」をしようとした園さんが、社会福祉法人を断念して、今は有限で運営しているので、むずかしい申請だと認識していました。認可保育園のコンサルも探してみましたが、社会福祉法人専門じゃないと駄目だと思って、ハピネスさんにたどり着きました。
実はもう2社を検討していました。でも、専門分野が少し違っていて、社会福祉法人の設立はできそうにない印象でした。ハピネスさんの対応は親切で、あきらかに他とは違いましたね。電話の応対やお会いした時も、ていねいに説明してくださり即決です。ハピネスさんとはお仕事で知り合いましたが、人としての関係性ができたのでよかったです。
それから1年ぐらい経過して、初めて場所(土地)が見つかりました。スタートするまで1年半ぐらいかかりましたね。
やはり税金面や運営面での補助が大きかったです。ほんとうは少人数でやりたかったのですが、運営的には60〜90人規模がベターと判断しました。
ハピネスさんがいっしょに協議してくれました。秦野市の行政自身が「社会福祉法人と新規の認可保育園」の手続きが初めてで、受付に慣れていませんでした。そこで、ハピネスさんが行政に対して段取りを主導してくれたんです。
最初、行政から「社会福祉法人を設立するだけで、3年から4年かかる」と言われていたんです。「そんなに待てない!」とハピネスさんに相談したら、「そんなことはない!」ということで(笑)、工程を詰めたものを行政に相談してくれました。その結果、秦野市も真剣に考えてくれるようになりました。
認可と社会福祉法人設立のノウハウをお持ちなのは、実績から分かっていたので安心感がありました。
それとスピードです。ハピネスさんのほうから出してほしい資料を煽られまくったおかげで、早めに申請できました。こんなに莫大な資料を「何日以内でって、えー!」という感じで(笑)、とにかく必死でその資料を集めました。
認可保育園、社会福祉法人の設立、園の設計、3本同時にやっていたので、私たちだけだったら3年以上はかかっていたと思いますね。市の担当の方にも、ハピネスさんから「早くしてください」とお尻を叩いてくれました。
当時、保育園反対運動が盛んな時期で、うちも近隣の反対があり、説明会を4回開催しました。なんとか折り合いがつきましたが、4月開園ができなくて、半年後の翌年1月開園になりました。
近隣住民の説明会には、ハピネスさんにも出席していただいて、経緯の説明とか全部していただいたんです。近隣住民が心配されていることをひとつひとつ上げて、保育園としてどういう対応をしていくのかを具体的に示してくれました。
市の補助金制度がちょうど変わるタイミングで、縮小されたり、職員の給与分が除外されたり、行政の勘違いで本来はもらうはずだった補助金が降りなかったり、想定外のことが起きました。どういう方法で、どんな形で資金を調達できるのか、ハピネスさんが一生懸命考えてくれました。
あと、設計士さんの知り合いの税理士さんから、赤い羽根募金からの資金支援があると教えてくれたのですが、具体的な進め方が分かりませんでした。それをハピネスさんがやってくれて。
全体を取りまとめてくれました。本来ハピネスさんの範疇ではないはずなのに、仕切って動かしてくれます。「これ困ってるんじゃないか?」と察して相談にのってくれました。行政書士というより、コンサルタントですよね。申請って大変なことがいろいろありますが、精神的な支えになりました。積極的に相談に乗ってくれますし。
あと、人柄、笑顔(笑)!
設立できなかったと思います。できたとしても、すごく時間がかかっていたか。
市役所の担当課長に、私たちのことを代弁して「こういう方法はないか?」など、ぜんぶハピネスさんが相談してくれ、認可、補助金、福祉課(社会福祉法人)のときも、私たちは黙って横にいるだけでした。とにかくアピール上手ですね。
あと、行政が分かっていないことが多くて、補助金の申請書類をなぜか市役所じゃなくてハピネスさんがやってくれたり。「ちょっとこの補助金の数字、間違えてるんじゃないですか?」と立場が逆転していました(笑)。
ハレノヒ保育園さまの園の運営や子どもたちへの想いを聞きました。
自然を活かした起伏のある場所で育つと体が丈夫になる、という考えを持っていたので、園内に斜面があることが条件でした。それと中心地から近いけど自然がある場所を探していました。
秦野市が待機児童が多い地域だったのと、隣の伊勢原市から登園でき、仕事場が秦野市にある方が預けやすい場所でもあったからです。
自然に近い環境といっても、「自然とともに生きる」をコンセプトにした保育園は実は多くなくて。一般的な保育園とはちがい、特殊な環境を考えていました。
いっしょに始めた前身の認可外保育園で、自分の子供を預けていまいた。単純に預ける預かるだけの保育ではなく、子供の成長を促すための保育をいちばん大事にしている保育園だったんです。それを引き継いで、ハレノヒ保育園を立ち上げました。
私たちの2人目の子供が障害を持っていて、いろんな保育園を見学しました。たまたま認可外の保育園を見学した時、子どもたちがすごい楽しそうだったんです。夫婦で1ヶ月ぐらい話し合って、入れることになったけど、閉園することになって…。
その頃、自分たちで保育園を計画していて、じゃあ引き継ぐ形でやってみようと。当時は英語教育を取り入れようと思っていたけど、結局自分たちがやってきたことがいいじゃないか?と。
自然に近い環境でとにかく「遊んで、食べて、寝る」。すごくシンプルです。自然の中から探したものや、身体を使いながら遊ぶことを1日中しています。子供たちはとにかく動き回って、毎日のように泥んこになるので、1日4回着替える子もいますね。
着るものは、綿100%のものや布おむつといった気持ちの良い素材をつかっています。外では土や昆虫や植物と触れあったり、木登りしたり、自然とともに遊ぶという環境ですね。発達に必要な条件をできるだけ整えています。あと、リズム遊びや水刺激も習慣的に取り入れています。
園舎も檜を使うなど、できるだけ自然の素材を使っています。
うちを知った東京都内の方が、家を売ってまで引っ越してくることもあります。大丈夫ですか!?じっくり考えたほうが…とお伝えするのですが、やっぱり環境を求めて来るようですね。
はい、保育園は市の指定メニューを使えばいいのですが、食についての想いも強くて。
栄養士さんに来ていただいて、まったくメニューのないところから考えました。実際に園児に出してみて、食べにくかったなどの意見を取り入れつつ、1年間いろいろ改善してメニューが定着してきました。
有機野菜をいろんな農家さんから仕入れています。有機栽培だと仕入れの量が少ないので、例えば人参はこの農家さん、大根はこの農家さんといった具合に分けています。仕入れがしにくい調味料も自然食ショップから仕入れています。
基本メニューは、ごはん(三分搗き)、味噌汁、主菜、副菜です。アマランサスなどの雑穀も入れています。子供たちはつねに動いているから、お腹が減るんですね。だからおかわり自由です。
このような給食を毎日食べていると、偏食が多かった子が、なんでも食べれるようになって。保護者の方にも感謝されますね。
園外での活動は一切費用が出ないので、保護者の方の理解のもと実費をお願いしています。例えば、昨年に年長さんと先生だけで4泊5日の宮古島へ生きましたが、実費でした。その点は保護者の方も共感してくれているので、すごくありがたいですね。
こちらとしては、保護者会やブログなどでしっかり伝えることは大切にしています。
あと、保育園の後援会に賛同いただく方に寄付いただいて、活動費として充てています。社会福祉法人は収益活動ができないので、後援会や保護者会から間接的にバックアップしてもらっている状況です。
これまではほんとに忙しく、いまやっとホッとしてる時期です(笑)。今後は、子供のことがあり、障害福祉とかの分野を考えています。
園として地域に対する役割があるので、地域の方の子育て支援をしていきたいと思っています。
子供が生まれて周りからのいろんな助けをもらって生きてきて、自分がなにを還元できるかを考えているだけで、なにか強い意志があるわけでもなく、そういう方向に流れているだけという感じです。
ただやりたいだけ。収益だけ考えるとできないです。想いだけですね。この園もなにも分からない状態で「やりたい!」と思って設立したので、まずは言葉にすれば、なんでもできるんじゃないかと思います。